英検1級の合格率・難易度・レベル

英検1級のレベル・難易度 英検

英検の中でも最高峰の英検1級ですが、英検のウェブサイトには英検1級について以下の通り説明されています。

1級は、英検の試験において最終目標となる級です。広く社会生活で求められる英語を十分理解し、また使用できることが求められます。資格としての活用も入試優遇、単位認定、海外留学など広範囲に渡り、とくに通訳案内士(ガイド)試験の外国語(英語)の筆記試験が免除されるなど、高い評価を得ています。試験内容は、一次試験(筆記とリスニング)と二次試験(面接形式のスピーキングテスト)に分かれています。

出典:1級の試験内容・過去問

このように、1級は「英検の最終目標」であり、資格を取得することによって入試優遇、単位認定の活用ができる他、通訳案内士試験の外国語(英語)の筆記試験が免除されるなど、様々なメリットがある級となっています。

その1級の取得は非常に困難なレベルとも言われていますが、実際のところどれほどの難易度なのでしょうか。

英検1級の合格率

英検の合格率は、近年公表されていません。過去に公表されていた合格率推移を見ると英検1級はおよそ10%前後の合格率となっており、年度別の合格率は以下の通りです。詳細は英検級別の合格率及びデータから見る英検1級をご覧ください。

2015年:12.0%
2014年:10.4%
2013年:10.4%
2012年:10.0%
2011年:9.6%
2010年:8.8%

英検1級を受験する人は、中には記念受験的な人もいるかもしれませんが、大多数は英語力に自信がありしっかりと勉強してきている人でしょうし、帰国子女等も含まれているでしょう。そういったレベルの高い受験者の層の中で10%前後の合格率ということは、非常に難易度の高い試験であるということが言えるでしょう。

英検1級の合格点

英検の合格点は、2016年度の試験からCSEスコアに基づくものとなり、単純な正答率での合否判定ではなくなりました。

英検1級の合格スコアは以下の通りです。

一次試験:2028(満点2550)
二次試験:602(満点850)

CSEスコアは単純な正答率ではなく、統計的手法を用いて算出されるスコアのため、一次試験合格ラインの2028点を取得するために全体の8割以上の正答(2028/2500≒81%)が求められるというわけではありませんが、相当高い率での正答が求められます

なお、2015年度までは、一次試験では70%前後の得点、二次試験では60%前後の得点が合格には求められました。詳細は英検の合格点をご覧下さい。

英検1級とTOEICのスコア換算

最新のレポートではその項目はなくなってしまっているのですが、過去にTOEICが公開していたTOEICプログラム DATA&ANALYSISの中には、「実用英語技能検定(英検)取得級別受験者数と平均スコア」という項目があり、ここでTOEICのスコアと英検の関係性を見ることができました。

過去のレポートによると、英検1級合格者のTOEICの得点は、

Listening:495 Reading:450 合計:945

というデータ(教育機関内で受験されたIPテスト受験者の回答データを集計したもの。2001年4月から2014年3月までの累計)でした。(その他の級とTOEICの得点の関係はTOEICのスコアと英検の級との関係をご覧下さい)

もちろんこの数値は受験者の自己申告であり、英検1級合格とTOEICスコアの換算を可能にしているものではありません。何より、英検1級には英作文と二次試験の面接がありますが、TOEIC(TOEIC L&R)にはそれらがありませんので、英検の合否とTOEIC L&Rのスコアを同じフィールドで対比することはできません。

英検1級に合格するためには、TOEICで900点台半ばよりも高いスコアを獲得するだけの実力は必要だということもできますし、一方、TOEICの試験に不慣れで初めて受けたが800点しか取れなかった・・・というような方でも、英作文や面接も含めて英語力が高ければ英検1級に合格することも不可能ではないでしょう。一般的には、TOEICの試験にある程度慣れているという前提に立てば、やはり英検1級合格にはTOEIC L&Rで950点前後を取る実力が必要でしょう。

英検1級とTOEIC 950点はどちらが難しいか

上述のように、英検1級に合格するためには、基本的にはTOEICで950点程度取ることができる実力が必要です。それでは、英検1級に合格するのと、TOEIC950点を取得するのはどちらが難しいのでしょうか。これは主観的な部分も大いに含まれますが、英検1級合格のほうがTOEIC 950点取得よりも難しいと考えられます。

理由1:英検1級のほうが求められる単語力のレベルが圧倒的に高い

英検1級で出題される単語問題は、TOEICレベルの単語力では全く歯が立ちません。TOEICでよく出題されるような単語をマスターし、TOEIC試験ではわからない単語はほぼ見かけなくなった・・・という状態になったとしても、英検1級ではわからない単語が多数出てくるでしょう。英検1級に合格するためには、英検1級向けに単語力を強化していく必要があります。

ちなみに英検1級に求められるレベルは「広く社会生活で求められる英語を十分理解し、また使用できることが求められます」となっていますが、日常生活ではまずお目にかからないような単語も出題されます。TOEICではそういった「日常生活ではめったに見ないような単語が出題される」ということは少ないでしょう。

 

理由2:英作文で実力を測られる

英検1級では、英作文(エッセー)の出題を通じて英語のライティング能力が見られます。一般的に’TOEIC’と呼ばれるTOEIC L&Rは全てマークシート方式であり、ライティング能力は求められません。普段から英語で文章を書く機会が多い人にとっては特に難しいセクションではないかもしれませんが、不慣れな受験者にとってはしっかりとした対策が求められます。また、英語での文章展開の構成もしっかりと身につける必要があり、稚拙な文章を書いてもハイスコアの獲得は難しいでしょう。

 

理由3:二次試験で高いレベルでの英語コミュニケーション能力が測られる

英検1級の二次試験は面接試験で、単なる一問一答のコミュニケーションではなく、自分の考えをしっかりとした根拠を含めて主張することが求められます。また、スピーチの後のQ&Aでは相手の質問に対して、自分の意見をしっかりとした裏付けに基づき説明する必要があります。スピーチのトピックは日常的な会話といったカジュアルなものではなく、専門知識は求められないまでも、社会生活一般、芸術、文化、歴史、教育、科学、自然・環境、医療、テクノロジー、ビジネス、政治などを題材としたものとなります。過去に英検1級二次試験で与えられたトピックの例については、英検1級二次試験に出題されたトピック(2015~2017)等をご覧下さい。

 

理由4:TOEICのほうがテクニックでどうにかなる部分が大きい

TOEICは出題される1問1問の難易度そのものは英検1級を受験するような人にとっては高くなく、時間さえかければ問題なく回答できるレベルの問題がほとんどです。それでもTOEICで満点に近いスコアを取るのが容易でないのは、リーディングでは回答時間が限られており高速で処理していく必要があったり、リスニングでは一部を聞き逃してしまうと回答できなくなるといったいわゆるリスニングの瞬発力の問題があったりすることに起因します。こういった部分は回答のためのテクニックを磨くことによってカバーしていくことが可能です。一方英検1級の単語問題や面接試験はテクニックでどうにかなるものではなく、純粋に英語の力を高めていくことが求められるため、TOEICよりも難易度が高いということができるでしょう。

 

英検1級合格に向けた対策

英検1級合格に向けた対策は、一次試験については英検1級攻略 -一次試験対策に、二次試験(面接試験)については英検1級攻略 -二次試験対策に記載しておりますので、そちらをご覧ください。

ここまで見てきたように、英検1級の難易度は非常に高く、合格に向けてはしっかりと試験用の対策をすることが肝要です。語彙力強化、エッセー(英作文)対策、リスニング対策と、それぞれの対策として教材を見つけ対策することもできますが、通信講座(実用英語講座 1級クラス (英検通信教育))を活用することにより効果的な対策も可能ですので検討してみてください。

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