2019年11月11日に、世界各国で語学教育事業を展開するEFエデュケーション・ファーストは、英語能力ベンチマーク「EF EPI英語能力指数2019年版(第9版)」を発表しました。レポートによると、日本人の英語力は非英語圏の100の国と地域の中で53位に位置しており、前年の49位から順位を下げました。世界全体の平均に対して見ても日本は平均を下回っており、英語力のカテゴリーとしてはロシアやベトナム、インドネシア等と同じ、5段階で下から2番目の「低い」に位置すると報告されました。
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日本人の英語力は世界で92位?EF EPI英語能力指数2024年版発表
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日本人の英語力は世界で87位?EF EPI英語能力指数2023年版発表
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日本人の英語力は世界で80位?EF EPI英語能力指数2022年版発表
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日本人の英語力は世界で78位?EF EPI英語能力指数2021年版発表
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日本人の英語力は世界で55位?EF EPI英語能力指数2020年版発表
EF EPI英語能力指数とは
“EF EPI”とは” EF English Proficiency Index”の略で、EF EPI英語能力指数2019年版(第9版)は2018年にEF英語標準テスト(EF SET)またはEF社の英語実力テストを受けた230万人を超える受験者のテストデータを基に算出された独自のスコアです。EF EPIは非英語圏の国と地域における英語能力を経年的に計測・追跡するための世界規模のベンチマークとして、2011年より毎年発表されています。
日本の順位は100の国と地域中53位
EF EPI英語能力指数2019年版(第9版)によると、日本は今回調査対象となっている100の国と地域の中で53位に位置しており、英語能力の5段階のカテゴリー(非常に高い、高い、標準的、低い、非常に低い)の中では「低い」に位置すると報告されました。
ランキングを上位から見てみると、1位:オランダ、2位:スウェーデン、3位ノルウェー、4位:デンマークとヨーロッパ各国が続く中、5位:シンガポール、6位:南アフリカと続きます。アジア各国を見てみると、37位:韓国、38位:台湾、40位:中国、52位:ベトナムと日本よりも上位に位置している国がある一方、61位:インドネシア、74位タイ、86位:ミャンマーと、日本よりも下位に位置している国もあります。(アジアの25の国と地域中、日本は11位)
日本の順位を時系列でみると、以下の通りとなっており、年々順位は下がっている傾向にあります。(()内は英語能力のカテゴリー)
2011:14位/44(標準的)
2012:22位/54(標準的)
2013:26位/60(標準的)
2014:26位/63(標準的)
2015:30位/70(標準的)
2016:35位/72(低い)
2017:37位/80(低い)
2018:49位/88(低い)
2019:53位/100(低い)
調査・データの信頼性
2011年から発表されているEF EPIですが、この調査や順位には信頼性や妥当性がないという評価もあります。
「日本の英語力は53位」というデマ報道が流れ出す季節になりましたね。によると、問題点は概ね以下の3点に要約されると主張されています。
1.代表性はない
2.数値が乱高下している
3.営利目的
詳しい内容は上記リンク先の記事をお読みいただければと思いますが、確かにこの調査が全世界において日本人の英語力がどうかということを精緻な調査に基づいてレポートされているものではないと言えるでしょう。特に大きなポイントとしては、上でも説明した通りこのスコアや順位が「EF英語標準テスト(EF SET)またはEF社の英語実力テストを受けた230万人を超える受験者のテストデータを基に算出された」ものであるという点で、あくまで自発的にEF社のテストを受けた人のデータをもとにしているというところで、「日本人全体」を調査対象としているわけではないところです。それは日本のみならず他の国においても同様で、EF社のテストを受験する人は少なくとも英語や英語学習に興味がある人で、かつ同テストを受験することができる環境下にいる人だけが調査の対象となっているというところから、サンプルに偏りがあることは事実でしょう。
EF社もこの点は認識・理解しており、以下の通り説明がなされています。
この指数の中に表されている受験者は任意で受験した人々であり、その国全体のレベルを代表するわけではありません。英語を勉強したいと思っている人、あるいは自分の英語スキルを知りたいと思っている人だけがこの試験を受けているため、一般人口よりも高いまたは低いスコア結果になっている可能性があります。しかしながら、テスト結果は個人使用のみを目的としており、受験者には不正行為によって利害に関係ないこのテストの点数を上げるというような動機は存在しません。
この試験は無料でオンライン受験ができるため、インターネット接続がある人なら誰でも参加することができます。受験者の大多数が成人労働者または学業を修了したばかりの若年成人です。インターネットにアクセスできない人は自動的に除外されてしまいますが、EF SETのサイトは完全適応型で、受験者の30%がモバイル端末で受験しています。
インターネットの使用率が低い地域の結果では、オンラインの普及状況の影響を大きく受けていると考えられます。このようなサンプリングの偏りは、低所得や教育を受けていない人々を含まないことにより、一般人口の平均スコアよりも実際のスコアを高くする傾向があります。それでもなお、インターネットを使った自由参加型の試験方法は、広範囲にわたる指数についての膨大なデータを収集するのに効果的であり、世界における英語能力レベルについて価値のある情報を提供うるものだと弊社は信じています。
一方、以下のような記述もあり、留学等を志向するような人が受験する他の英語試験のスコアとの関連性は高いようです。
EF EPI 2019の各国スコアには、TOEFL iBT 2017の各国スコア(r=0.80)およびIELTS Academic Test 2017の各国スコア (r=0.74) と強い相関関係があることがわかりました。このような相関関係から、これらの試験にはデザインや受験者のプロファイルに違いがありながらも、国の英語能力において同様の傾向があることが分かります。
EF EPIレポートに参加するには
EF EPIは「EF英語標準テスト(EF SET)またはEF社の英語実力テストを受けた230万人を超える受験者のテストデータを基に算出された」スコアですので、EF SETを受験することで来年のレポートのスコアの基準となる形で参加することができます。受験は無料ですので、「自分が受験することで日本の順位を上げてやる!」という方から、「まずは自分の英語力を試してみたい」という方まで、気軽に登録して受験してみてはいかがでしょうか。
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