英検は2016年度、2017年度に英語四技能化の流れで大幅に試験がリニューアルされ、2019年度には運営費用の増加を理由とする受験料の値上げが実施されました。2020年度は試験内容のリニューアルはありませんでしたが、2年連続となる受験料の改定がありました。2021年度は再び受験料の大幅な値上げが実施されることとなり、なんと3年連続で大幅に受験料が上がる形となりました。
「英検CBT」と「英検S-CBT」は統合/受験料は値上げ
これまで別の試験として運営されていた「英検CBT」と「英検S-CBT」の試験が統合され、「英検S-CBT」に一本化されます。ライティング試験については紙の解答用紙に回答する「筆記型」と、コンピュータ上でタイピングしてい回答する「タイピング型」から選択できるようになります。2020年度に一度値下げされた英検CBT及び英検S-CBTですが、今回大幅に値上げされることとなりました。
各級の改定前後の受験料(改定前は英検S-CBTベースで比較)は以下の通りです。
準1級
7,900円→10,200円(+2,300円[+19.4%])
2級
6,900円→9,200円(+2,300円[+33.3%])
準2級
6,400円→8,700円(+2,300円[+35.9%])
3級
5,400円→7,400円(+2,000円[+37.0%])
従来型英検準会場方式は複雑化/受験料は値上げ
従来型英検準会場方式は、これまで一次試験は準会場での受験・二次試験は本会場での受験となっていましたがこれを「現行方式」という位置づけとし、一次試験・二次試験ともに準会場での受験、一次試験は本会場での受験・二次試験は準会場での実施という「新方式」が設定され複雑化されます。また、受験料は値上げとなります。
各級の改定前後の受験料(改定前は準会場現行方式ベースで比較)は以下の通りです。
2級
5,500円→6,500円(+1,000円[+18.2%])
準2級
4,900円→5,800円(+900円[+18.4%])
3級
3,900円→4,800円(+900円[+23.1%])
4級
2,600円→2,900円(+300円[+11.5%])
5級
2,000円→2,500円(+500円[+25.0%])
従来型英検本会場方式受験料は3年連続大幅値上げ
従来型英検本会場方式は、試験そのものに変更はありません。他方、受験料は新型コロナウイルスの影響による会場借用料の高騰等を主要因として、大幅に値上げされることになりました。これで、従来型英検本会場方式受験料の値上げは3年連続となります。値上げの背景として、主たる試験会場を本会場から準会場へとシフトしていきたいということもあるようです。以下記載の通り全ての級が大幅な値上げとなっていますが、英検5級では受験料が1.5倍になるという、非常に大幅な値上げが実施されることとなりました。
各級の改定前後の受験料は以下の通りです。
1級
10,300円→12,600円(+2,300円[+22.3%])
準1級
8,400円→10,700円(+2,300円[+27.4%])
2級
7,400円→9,700円(+2,300円[+31.1%])
準2級
6,900円→9,200円(+2,300円[+33.3%])
3級
5,900円→7,900円(+2,000円[+33.9%])
4級
3,600円→4,900円(+1,300円[+36.1%])
5級
3,000円→4,500円(+1,500円[+50.0%])
新型コロナウイルスの影響により通常では利用することのないような利用料の高い会場を利用したり、席の間隔を大きくとること等により非効率なオペレーションを迫られているといった状況は理解できるかと思います。ただ、同じような対応を迫られているTOEICでは受験料の値上げは実施しておらず(もちろん複数の級を同時に実施し、かつ4技能を測定する英検と、画一的で2技能を測定するTOEIC L&Rを一概に比べること自体間違っているかもしれませんが)、英検は環境の変化に対しあまりにも受験者に負担を強いているという感覚は否めません。
特に英検5級といえば英語学習を始めたばかりの人が気軽に英語の学習成果を図るために受験できる試験であるべきで、過去には1,000円以下で受験できた時期もありました。その頃の5倍以上の受験料となる4,500円となると、流石に気軽に受験をするという試験ではなくなってきます。
また、大学受験における英語外部試験利用のために英検の受験が必要となる人も少なからずいる中で、その足元を見るような受験料の値上げと見えるとも言えます。
英検の受験のために余計なお金を払うことを避けることができ、検定料の値上げに対して費用を最小限に抑えるために最も重要なことは「検定料を複数回支払わなくて済むように、しっかり準備をして試験に臨むことで一発合格する」ということでしょう。英検の通信講座等も活用し事前の準備をしっかりと行うことで、一発合格を目指してがんばりましょう!(英検の級ごとの合格率については英検の合格率をご参照ください)
参考リンク:2021年度「英検」、「英検S-CBT」、「英検S-Interview」の検定料のお知らせ―および英検CBT/英検S-CBTのサービス統合について―
★他の英検関連情報も見てみる(人気ブログランキング)英検対策のネット教材-英検ネットドリル
旺文社の英検対策問題集とCDをひとつにまとめた、パソコン・タブレットで学べる本格派ネット教材、英検ネットドリル。
「旺文社 英検ネットドリル」は、英検受験者に必要な機能を豊富に搭載しており、ペーパー教材に比べ、はるかに効率的でスピーディーな学習を実現しています。
料金を払えば1年間使い放題なので、万一不合格になっても次の試験対策にも使えるので安心です!5級から準1級まで対応しています。