先日JASSO(独立行政法人日本学生支援機構)が毎年公表している、「協定等に基づく日本人学生留学状況調査」の令和2年度データが公表されました。
公表されたデータは日本人留学生(大学生等)数の推移にまとめていますが、令和2年度は調査開始以来留学生の数が文字通り激減しています。これは、残念ながら新型コロナウイルスの影響により留学を見合わせざるを得なくなった学生が相当数存在することが要因と考えられます。令和3年度の調査でも、引き続き留学生の数は低迷することが考えられます。
令和2年度については新型コロナウイルスの影響により昨年度までの傾向が全くあてにならない状況となっていますが、主な傾向については以下記載の通りです。
傾向1:留学生数の激減
令和2年は、新型コロナウイルスの影響により国境を跨いだ移動は大きく制限されました。結果として、日本に来る留学生もそうですが、日本から海外に出ていく留学生の数は激減しました。
新型コロナウイルスの影響が出始めた令和元年度は全体で10万人を超える留学生が日本を飛び出し海外各地に旅立っていきましたが、令和2年度の調査結果では2桁減少の1,487人にとどまりました。
この傾向は、残念ながら令和3年度も若干の回復傾向は見せながらも続くものと思われます。
傾向2:短期留学の減少
これまでの傾向では1ヶ月未満といった短期の留学の比率が高まってきていました。令和2年度の調査では一転して短期の留学は激減、中長期(3ヶ月以上)の留学の比率が一気に増えました。
これは、留学そのもののハードルが上がり、現地での隔離期間と含め1ヶ月未満といった短期の留学では結果が出づらく、また、短期のプログラムそのものが中止になった影響が大きいものと思われます。
傾向3:中国留学者の激減
これまで人気の留学先だった中国ですが、留学先として選ぶ人は激減しました。新型コロナウイルスが発祥したとされる中国では厳しい出入国や地域での移動制限が引き続き行われており、留学生の受け入れを全面的にストップし、中国を目的地として留学する人が激減したものと考えられます。
新型コロナウイルスの影響で、令和2年・3年は留学生、あるいは留学を志している人には大変厳しい年になりました。留学はタイミングも重要で、今しか留学ができないという方もいらっしゃるかたもいるかもしれません。しかし「学生でなければ留学できない」という時代ではなく、社会人になってから様々な形で留学することも可能です。最近では親子留学といった形で、独身時代には留学できなかったけれど、子供がある程度大きくなってから親子で留学するといったプランで留学する人も少なくありません。
留学をしたいと思っている方は、あらゆる選択肢を考慮に入れながら、留学の準備及び情報収集をすすめていきましょう。今、このタイミングで留学ができないからといって、諦める必要はありません!
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